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まったく魅力に感じないナガミヒナゲシの魅力を自然ガイドとしてどう伝えるか

ボクは自然が好きで自然ガイドになっているので
熱狂的に好きな動植物があったりするんですね
でも一方で、ちっとも魅力がわからないものもあって
ナガミヒナゲシはまさに後者。
その中でもボスみたいな存在でした

君の魅力はなに?

そう問い続けて何年も経っています
興味が湧かないから調べようともしないし
見ようとも思わない

平和の反対は戦争じゃない。無関心。

そう、無関心はいけない。
この花だってボクの隣人。
魅力魅力、魅力を見つけよう!

うぅ。ちっとも意欲をかき立てられない花…
カサカサの花びら
ちょっとアレなめしべ、つぶつぶおしべ。

なに?君の魅力は?

裏をのぞいてみてもわかるどころか…

毛に気づいてしまい「うわぁ..」となる。

でも、草に毛は生えているもの。
この子の毛だけ悪者扱いしてはいけない
ああ、やっぱりバイアスがかかっている!
こんな自然ガイドじゃいけない!
ナガミヒナゲシだって自然。
きっと故郷のどこの国では大切に愛でられているはず

見つけろ!魅力!

みっけ!

ミニサイズのナガミヒナゲシです。
種は同じだけど
痩せた土地に生えているから花も小さくなってしまった個体です

あたりを見てみると大きさは3種類くらいあるようでした

小・中・大。どれもナガミヒナゲシ。

小中大と書きましたけど、どちらかというと一番右(大)が普通なので
極小、小、普通といったほうがいいかも?

そして見てください!おしべの数の差!

こちらが普通盛り
こちらは超小盛り

もう「盛り」が全然違うんですね〜
めしべの白い線の数も違います
牛丼の普通盛り、小盛り、超小盛りみたいなものです

というわけでこのような投稿を作りました


ナガミヒナゲシの「普通盛り」は左で約5cmです

こちら、土の栄養に合わせてスモールサイズも展開しています!
真ん中の小盛りサイズは3センチほど。
超小盛りは2センチほどです。

花びらと黄色いおしべの数が違いますよ

花が栄養状態でここまで花の大きさを変えるのは珍しくて
例えばタンポポの小盛りサイズって見たことないですよね?

放っておくとグイグイ増えていく花なので
あまり好きではなかったのですが
この「栄養状態悪くたって小さくしてでも咲いてやる精神」はあっぱれ!
みなさんの近くのナガミヒナゲシは何盛りですか?

ボクらが伝えなきゃいけないこと

自然ガイドは自然の素晴らしさ、怖さ、面白さを伝えるプロとして
独自の視点を持っておくべきだと考えます

ナガミヒナゲシは外来種ということもあってか
「見つけたら早く抜け」と言っている人もいます
生態系を守る立場にある人であれば、その理屈も理解できます

でも「この花を駆除をしよう!覚えてね。」が
自然ガイドが届けられるメッセージでしょうか?
ボクは違ったメッセージを伝えていきたい

さっきまで「なんの魅力も感じない」とか言ってた人間が
何を偉そうにって感じもしますが
ちょっと落ち着いて足元の自然に目を向ければ
違った風景が見えてきます

今回はナガミヒナゲシだったけど
スギナでも、セイタカアワダチソウでも
こちらの姿勢次第で見え方は変わってくるはず

そうすれば何とも感じなかった光景が
イキイキとし始め、鮮やかに見えてくる
こんな素敵な環境に自分は住んでいたんだと
幸せな気持ちになってくる

そう感じられる人を少しずつ増やしていくのが
自然ガイドの仕事かなと思っています

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